福島再エネ探訪ツアー報告

イージーパワーでインターンとして活躍している
山下さんが4月8日、9日に行われた福島復興再エネ探訪ツアーを
レポートしてくれました。福島の今、再エネの今が皆様に少しでも伝われば幸いです。

福島復興再エネ探訪ツアー報告

2017 年4 月8、9日、NPO法人市民電力連絡会が企画した
福島復興再エネ探訪ツアー(バスツアー)に参加しました。

( こちらでも紹介されております NPO法人市民電力連絡会 新着情報 )

大震災・原発事故から6年、初めての訪問です。
福島が近くなってくると高速道路沿いやパーキングエリアに
放射線量表示板がありました。うまく写っていませんが0.1μSv。

汚染で使えなくなった農地に33MW 太陽光発電を建設中
(市民出資も一部入った地域主導の発電所。発電開始2017年12月)。
高速から眺めただけですが、富岡復興メガソーラー。大きいです。
この辺は放射線量が高く、浪江IC手前(原発から6kmとのこと)の表示板は3.4μSv。
CCセンターで借りた測定器でみるとバス内は1.4μSv。
バス内はある程度遮蔽されるということでしょう。
ちなみに朝、自宅で計測したときは0.06μSvでした。

上の写真はフレコンバック(除染廃棄物保管袋)の保管場所です。
農地や中山間地にはたくさんありました。

昼食は南相馬・小高の「ぷらっとほーむ」(0.14μSv)でいただきました。
住民が家の片づけをしに来た時などに休める場所として作られたとのことです。
小高駅前のアンテナショップ「希来(きら)」で
お土産の菜の花油とジャムを買いました。

その後、発電所見学に出発。
小高の「野馬土(のまど)」の三浦さんの案内でバスで現地を回りました。
原発から12km ですが(林の奥に福島第一が見えます)、
放射線は高くはなく0.1 μSvを超えるくらいです。

津波被害で荒れた農地を太陽光発電に、農作も続けて半農半エネ。
この形でなんとか子孫に農地をつないでいきたいとのことでした。
野馬土他、浜通り農民連4団体あわせて4MWの発電所です。

その後少し離れた広大な場所に移動しました。
震災直後は水没していた広大な土地も
かなり改良が進んでいますが、
そこに風力発電を立てる計画があるそうです。
現在、風況調査中で巨大資本が3.5MWの
風車を150 本建てる計画があるとのこと。

「原発がダメになったら巨大風力発電か!
地元にはほとんど利益をもたらさない」と、
バス内でずっと案内してくれた方は怒っていました。

三浦さんは、この地区では何軒中、
何人が死んだとか淡々と話しながら、
第一種農地は農地転用ができないという
国との交渉をやってきた、ここまで進んできたと
力強く話してくださいました。

次に、えこえね南相馬「再エネの里」、ソーラーシェアリングを見学しました。

上の写真は1号機30kW。他に2カ所見ました。

ソーラーシェアリング考案者の長島彬さんに教えてもらい、
建設は全部自分たちでしたそうです。
農家の人たちは器用で、何でもやると言っていました。
地元農家さんは、大豆やカボチャや
いろんな野菜・果物を作ってみているとのこと。
その後、菜の花畑にも案内してもらいました。

菜種油収穫もだんだん増やして、
昨年は4トンになったとか。
「全国菜の花サミット in 南相馬2017」の
企画もしているとのこと。
相馬野馬追は2012 年から再開したとか。
こちらも皆さんのパワーに圧倒されました。

バスの中で「南相馬は震災前は12,000人いたが、20km圏内は避難指示になり、
2016年7月12日にようやく解除され、今は1200人が戻っている。
外の人はまだ10%しか戻っていないと言うが、
ここに住むものは0から1200人になったと考える。
(地区で出た廃棄物は地区内で保管しなければならないため)
フレコンバックがあちこち積んであるが、
(減容処理が進んでいるため)前と比べたら減ってきている。
コンビニができた、小中学校が再開されたと前向きに考える。」と話す方も。

外にいる私たちは、考えるべき言葉ですね。
夜は農家民宿「いちばん星」に宿泊しました(0.13μSv)。

夕・朝食とも地元野菜をふんだんに使ったおいしい食事でした。
ご主人は元は市役所勤めでしたが、
震災後復興支援の仕事をするようになり、
3年後市役所を辞めて民宿をするようになったとのことでした。

翌9日。
スタートは川俣町のKTSC発電所の見学から。
残念ながら雨でバス内から見学し話を聞きました。
現在6機のソーラーシェアリング建設、合計230kW。

これを息子さんと2人で作っていて、
米や大豆を作っていますとのことでした。
あと9機の認定を取っていて652kW を目指すとのこと。
東から西に向きを自動的に変える、
長島さん考案のスマートターンで、
通常のソーラーシェアリングに比べて
発電量15%アップが予想されるそうです。
その部品を設計し、3Dプリンターで
手作りしているとのこということで、
これまたなんて器用な農家さん
(元はものづくりの仕事をされていたようです)。

お土産にみんなお米をいただきました。
後日食べたら、なんと美味しいこと!

次に、福島農民連霊山(りょうぜん)発電所見学(伊達市)にいきました。

105kWは地元が作り、50kWは大阪の人たちが作った
市民発電所です。大阪では用地確保が難しいそうです。
野立ての太陽光発電所で、
周りの柵は間伐材を切って自分たちで作ったものだそう。

見た人たちが
「(自分たちが関わる発電所の)囲いもこんな感じで良いのかも」と
感想を言っていました。
注:10kW以上の発電所は看板・柵を
設置しなければならないと、制度変更がありました。

イノシシもサルも来るので、
フェンスでしっかりおおったら
間違って入ったのが出られなくなることもあり、
自然環境をなるべく破壊しない柵にしたとのことでした。

りょうぜん紅彩館で昼食。
こちらもとても美味しかったです。
部屋の窓からの風景が良かったですが、
向こうの山の上に廃棄物減容の焼却炉が
稼働しているのが見えました。
1機250億円、17機稼働し、3年でその役割を終えるとのこと。

次に、飯館電力の見学にいきました。

「2014年9月に発起人5名が出資して設立、その後村民30名の出資が集まった。
社長の小林稔さんは和牛農家件稲作農家、
宮城県蔵王町に避難、喜多方市で稲作を続ける。
当初はメガソーラーを計画したが、無制限出力抑制により断念。
小規模分散型に変更し、ソーラーシェアリングによる発電所を建設。
小林さんは飯館牛の復活も目指している。」とツアー配布の資料にありました。

村役場の横に建設したのは、50kWの1号機、
その後は全部ソーラーシェアリングで作っています。
ただし、普通の幅の広いパネルで作って下では牧草を育てています。

「飯館では農地の表土5cm を全部剥ぎ取って除染した。
これを農地に戻すのは大変、10 年はかかると言われている。
他の自治体では農地の土を天地返しして除染したところもあり、
そうしたところは早く農業を再開できる。
なぜ飯館では全部表土剥ぎ取りになってしまったか。
市民の行政への不信があると思う。
3.11後、飯館は大丈夫、留まれと言われ、
4月11日に高線量で全村避難になった。
行政の言うことは信用できないとなったのでは」と
飯館電力の案内の方がお話ししてくださいました。

 

<感想>
行って良かったです。百聞は一見にしかずと言いますが、福島の今を見て、
がんばってきた・がんばっている人たちの思いを聞き、
各地の発電所を見ることができました。

マスコミ報道だけを見ていると、避難解除はされたけど
悲惨な状況だ、というようなことしか伝わって来なかったりします。

私はほんの一端を見てきただけで、現地ではまだまだ困難はあると思うのですが、
ここで生きていこうとか、戻ってきて良かったと思える場所になるようにと思います。
もっと写真を撮ってくれば良かったです。美味しかった食事の写真とか。
ボリューム満点でしたが、がんばって全部食べてきました!

Report by 山下博子:イージーパワー株式会社 インターン