千葉・匝瑳発電所が着々と建設進行中

イージーパワーを応援してくださるみなさん、
千葉県匝瑳市のソーラーシェアリング発電所が
いよいよ形を現してきました。

11月末と12月はじめの2回、建設状況を見てきましたので、
写真を交えて少し紹介したいと思います。

ソーラーシェアリングとは

「農業と太陽光発電の協働」

それがソーラーシェアリング。
農業生産だけでは十分ではない農家収入に
プラス収入をもたらし、
耕作放棄地を耕地に戻すという効果を持っています。
しかし、まだ、はじまって5年程度で、
世の中にはその真価がまだ伝わっていません。

設置も全国的に広がっているというわけではなく、
千葉県、茨城県、福島県などに集中しています。
この背景には、ソーラーシェアリング設置の
大前提に「農業委員会」による「農地転用許可」が
不可欠ということがあります。
農業委員会の認知度、理解度、応援度によって左右されるわけです。

全国の農業委員会のほとんどでは、
まだ「ソーラシェリング、なにそれ?」という感じなのでしょう。
野立ての太陽光発電が盛んな山梨県では、
逆にほとんど相手にされていません。

東京や神奈川、埼玉では、今度は農地のほとんどが
市街化調整区域という別の壁が登場します。
市街化調整区域は、農業委員会管轄ではな
く国土交通省管轄になります。
市街化調整区域では、農地転用は農業者に
多大な税負担が求められることになるからです。

それでも、「農業と太陽光発電の協働」をめざして、
いろいろなグループがチャレンジしています。
農業そのものも収量があがる、
さらに太陽光からの発電収入、
そして何よりも農地を美しく演出するのです。
農業生産(食物自給)と発電(エネルギー自給)
そしてあわよくば観光の目玉にもなります。

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写真1 イージーパワーのソーラーシェアリング発電所(建設中)

匝瑳市は昔々からの農村地帯

匝瑳市は千葉県北東部の人口約4万人の市です。
2006年に八日市場市と匝瑳郡野栄町が合併して誕生しました。
八日市場市も八日市場町と周辺の町村が合併してできたもので、
もともとは幾つもの村だったところです。

江戸時代(もしくはそれ以前)からの農村地帯で、
築150年を超える藁葺き屋根の家が近年まで幾つも残っていたようです。
昔は村の人たちが総出で藁葺き屋根の張替えなど行っていたようですが、
今はその技術の伝承もなく、残った藁葺き屋根も銅板やトタン板などで覆われています。

写真2は当社のソーラーシェアリング発電所の
一人の地主さんの御宅の立派な長屋門です。
江戸時代には庄屋等の村役だったことの名残かと。

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写真2 地主さん宅の長屋門

地形的には、北部が谷津田の入り組んだ複雑な地形の台地、

南部は九十九里浜に面する平坦な地形です。
航空地図で見ると、北部は山で、そこを切り崩したり埋めたりして、
古来の人々が農地を拡大して来たことがわかります。
ソーラーシェアリングの予定地は、この北部に位置します。

イージーパワー1号機の場所は今でも少し高台です。
来年着工の2号機の方は、少し低い平らな場所ですが、
実は傾斜していて、海側と山側では1メートル以上の落差があります。
まっ平らじゃないんですね。

イージーパワーがタッグを組んでソーラーシェアリング事業を
進めるパートナーである「市民エネルギーちば」が、
少し離れたところに「ソーラーシェアリングメガソーラー」を建設中ですが、
その場所は、もともと山だったそうです。
何十年も前に、そこを田んぼにするために、
当時の人たちが山を削ったのだとか。そうするとなんと遺跡が出てきました。
土器のかけらだけでなく多数の人骨も。
弥生遺跡か、もしかしたら古墳だったのかもしれません。
そんなわけで遺跡調査が開始され、そのまま10年も経過すると
「減反政策」がはじまり、田んぼなんか作るなということになったそうです。

山の表面は肥沃な千葉県の土地も、
山を削ると中は痩せた栄養のない土だそうで、
結果的にこの土地は人々のお荷物となってしまいました。
その困った土地の有効活用として
ソーラーシェアリングがはじまろうとしているのです。

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写真3 メガソーラーシェアリング建設現場

自動で太陽を追うスマートターン

イージーパワーの発電所は、ソーラーシェアリングといっても、
ただの発電所ではありません。
動くのです。ソーラーパネルは南向きではなく、
東西に向くように置かれています。
朝は東向き、昼には真上に、
午後には西向きというふうに自動で動きます。
もちろん晴れている日にはですが、太陽を追尾するのです。
台風が接近したりすると、風の抵抗を受けにくくなるように水平になります。
激しい雨の後は、大きく傾けて畑に陽をあてて乾かすことも可能。

動くことによって、太陽光発電の効率はグンと上がりました。
これを考案した「市民エネルギーちば」の想定では
稼働率(設備利用率)16%超にもなるといいます。
太陽光発電としては高い部類で、
1kWあたり1年間で1500kWh近い発電をすることになります。

匝瑳1号機の面積は1270平方メートル、
2号機は1240平方メートルです。
一般的な50kWの野立て発電所は
1000平方メートルくらいなので、2割増しの面積です。

ソーラーシェアリングは、農業委員会から農業生産量を
2割以上落とさないことが条件として課されています。
その状況を3年ごとに見直し、もし条件を満たしていない場合は、
農地転用が解除されます。
その場合は、農地の上に置いたソーラーパネルを
全て撤去しなければなりません。
厳しい条件です。

その農業の方は「市民エネルギーちば」を通じて、
農業にチャレンジする若者たちが担います。
農業法人「スリーリトルバード」を立ち上げています。
有機無農薬の大豆などの生産に取り組み、
その生産物は近くのマクロビオティックレストランなどに、
食材として収められる予定です。

市民エネルギーちばが設置した最初のソーラーシェアリング発電所が、
来年にはその3年目をむかえます。
収量は増えたりはしていないが落ちてもいないとのこと。
だんだんと実績が積み重ねられていくものと思います。

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写真4 スマートターンの実演模様

来年には匝瑳発電所ツアーを

この12月末に1号機、来年3月までには2号機が動き出す予定。
3月にはタケノコ狩りもできるので、全機竣工祝いを兼ねた、
スマートターン見学ツアーを企画したいなあと思っています。

その頃には、メガソーラーシェアリングも稼働をはじめるということです。
耕作放棄地だらけになりつつあった匝瑳市の農業地帯で
進められる「新しい農業エネルギー事業」を、ぜひ見に来てください!